精神疾患に対しての新しい治療法、LAIについてレポ

私が過去執筆を行った同人誌においてお話させていただいた回転ドア現象と呼ばれるもの

私からみてこの現象そのものが精神的なデメリットを持つ患者さんにとって一番気をつけるべきものであること、そして微々たるものではありますが私自身としても警鐘を鳴らすべきだと感じ改めてこの記事を作成することとしました

■そもそも回転ドア現象とは何か
この現象は1955年のアメリカにおいて生み出されたものでその当時アメリカでは
収容される対象となる患者の数は有に一万人を超しており、精神科医療の要となっていた場所は州や区立を統括する大きな精神科病院でした

ちなみにその時の精神科病院の総病床数は56万床

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以下は厚生労働省により発表された新型コロナ感染に対してのデータです 余談ですが、今現在において切迫した状況下にあるコロナ感染者の急増に対し確実に用意されている総病床数は三万弱である事実を踏まえると、今の日本がいかに危ない状況に置かれているかが伝わると思います

話を戻します
ここで回転ドア現象とは精神疾患そのものの再発と悪化を繰り返す行為を紐付けた意味であり、その結果として入退院を繰り返すorその患者の生活水準そのものが大きく下がることに帰結します

その原因となった理由、もとい背景として存在している事実は大きく二つで
一つ目は移民出身であるとともに、その当時精神疾患そのものに対する考えを大きく考えさせられる経験をしたケネディ大統領が精神疾患を患う患者に対し健常者と変わらない日々を少しでも早く送らせるべく「脱施設化」の施策を強く促したこと

二つ目がその当時に販売された精神安定剤クロルプロマジン」(ジストニア含む強力な副作用あり)の存在があることで、「これなら大丈夫だろう!」と患者を退院させる働きかけが強くなり
さらにその後のまともな対策を打たないばかりに、退院した患者がたどり着くのは数十人以上を単位とした安アパートかまかないつきの下宿でありました

これら史実を踏まえると、いかに優秀な大統領であっても相手の精神を完全に理解するとまでいかなくとも、その人の気持ちや環境に寄り添う姿勢が少し欠落していたのではないかと疑念を抱かざるを得ないというのが筆者の見解です
もちろん、彼の行動そのものには明確な目的意識とともに一貫性のある行動があることは事実ですが、残念な結果となってしまいました

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画像は精神経誌(2009)より 今現在における退院への正式なフローは以下の通りとなっています 症状が悪い時に対し上手く対応出来るか否かでなく、その後や再発前においていかに患者さんへ向き合う姿勢が重要視されているかがはっきりと出ていますね すこ

さて、ここまで回転ドア現象に対する見解を簡単に述べさせていただきましたが私がこの説明を行ったのは精神疾患に対する今現在における新しい治療法「LAI」についてお話したかったからです

■LAIとは?
統合失調症を始めとした様々な精神疾患に対して有効な治療法の一つで、一般的には持続性注射剤と呼ばれているものです

この治療法の一番のメリットは症状の再発や悪化を精神的な負担とともに大きく軽減出来る点にあります
それは同時に患者にとって、飲み忘れを無くす+薬を常習的に飲むことに対しての煩わしさから解放されることを意味するため生活の質、パフォーマンスの向上にも繋がることを意味します

デメリットとしては筋肉内注射であるため少し痛みがあること、そして効果が約一ヶ月であるため定期的に打つ必要があります(薬剤の中身はレキサルテイを始め、フルデカシンやゼプリオン、ネオペリドールなどが存在します

このLAIは最近となって行われるようになった治療法であるため、おそらく今後様々な精神疾患に対して有効な治療法に組み込まれると予想できます
私も面白そうなので、再来週にでも一発やってみます

■最後に
まだ始まったばかりのブログですが様々な方からお声掛けいただきとても嬉しく思います
今後はより皆様のお役に立てるよう他の患者の方々との意見を交えることや毎回ともに同人誌制作にて執筆くださる研修医の友人とともに濃い内容でお送り出来たらと思います
ありがとうございました

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